森に覆われたグリゴリ村、そこには黒天使達が住んでいました。
グリゴリ村の空中を、二人の黒天使が散歩を兼ねて飛んでいました。薄緑髪の少年と、赤毛の少女です。
「まさか別の世界があって、私達と同じ黒天使がいたなんてびっくりですねぇ」
赤毛の少女はうっとりしながら言いました。
名はコンソーラと言います。コンソーラは今日受けた授業のことを思い返していました。
黒天使の歴史ついてやっていたからです。黒天使が今の世界に存在するきっかけになったのは、別の世界にいる黒天使のリーダーであるアドラメレクが二人の黒天使を今の世界に送り込んだことが元になっています。
一人は今の黒天使のリーダーであるネビロスと、もう一人はイロウの祖父のアガレスです。ネビロスはアドラメレクが与えた繁殖能力で黒天使を次々と産み出し、アガレスは黒天使に力を授けたとされています。
今空中散歩している二人が存在しているのも、アドラメレクのお陰とも言えます。
「そうなのか、オレは半分寝てたけどな」
薄緑髪の少年はだるそうに言いました。彼の名前はベリルと言います。
「もう、ちゃんと聞いてないと駄目ですよぉ」
コンソーラはベリルに注意しました。
黒天使の歴史を知るのはコンソーラを含む黒天使には必要だと感じているためです。
「オレ、ドムじじいの授業嫌いなんだよな、話長ぇし」
ベリルは言いました。ドムとは歴史の授業を教えている先生です。
「テストにも出るそうですから、後で教えますよぉ」
「すまねぇな」
ベリルはコンソーラに感謝しました。コンソーラは頭が良く、勉強が苦手なベリルに教えています。
別世界にいるアドラメレクにより、今の世界にいる黒天使はこうして生きています。

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