01:手に入らないものなら、いっそ奪うまで
手に入れられない歯痒さと苛立ち
胸の中に渦巻いていた。
ずっと押さえ込んできた。
やってはいけない事と
やりたい衝動の葛藤がぶつかり合いながらも……
日に日に増していき
遂には押えられなくなった。
そして君は今、この場所にいる。
02:大切なものはすべて檻の中へ
壊されたり
傷付けられたりするのは困るから
大切なものは檻にいれよう。
03:気が狂わない程度に
薄暗い場所に閉じ込め
逃げられないように、手足を拘束した。
気が狂うのを防ぐ意味で
僕は話しかける。
「何でこんなことをするの?」
甘い声で話しかけてくる。
僕はこう答える
「君が好き過ぎて、こうする以外に君を繋ぎとめられなかった」
04:傷つけるのは本意じゃないと囁いて
ごめんね、こんな場所に閉じ込めて。
分かって欲しいんだ。傷付けるのは本意じゃないと。
僕は君の耳元で囁いた。
君は怯えた目をしていたけどね。
05:逃げる為の鍵など、最初からない
監禁してから数週間後
君は僕に聞くようになった。
「いつ出してくれるの? お願い出してよ」
僕は出す気は無かった。
だって、君が好きだから。
だから僕は言った。
「君を出さないよ、永遠に僕と一緒に暮らすんだ」
逃げ出すための鍵など、最初から君には用意してないよ。
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追憶の苑
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