諸注意
・この話を読む前に本家である「空に舞う白い羽根」を読むことをお勧めします。
・ラフィア達の設定が人間です
・パロディネタが含まれています
・本家のネタばれが含まれています
・問題が発生しましたら削除しますのでご了承下さい
以上のことを理解した方のみ下へお進み下さい。
授業を受けていたラフィアだが、突然生徒や先生が倒れ出すのを見て困惑した。
「大丈夫?」
ラフィアは身近にいた女子に声をかける。
「う……体の力が入らないの……」
「ラフィ……」
愛称で呼ばれ、ラフィアは声の元に急ぐ、幼馴染みのリンである。
リンも教室の人間同様に辛そうだ。
「リン君……」
「ラフィは……平気なの?」
「何でか分からないけど平気」
ラフィアは言った。
校庭から振動がして、ラフィアは外を見ると巨大な怪物が校庭に出現していた。
「ゲファレ! ゲファレ!」
怪物が叫び声を出すと、教室中から悲鳴が上がる。
教室の人間の体から黄色い光が出ていき、怪物の体に吸い込まれていった。
ゲファレが叫ぶと人の力を吸い込むのだ。
「よし、いいぞ! その調子で人間どもから力を吸いとってやれ!」
黒い羽根を生やした少年が怪物の肩に立ち、怪物を煽る。
ラフィアは少年と怪物を止めないといけないと直感で思った。
ラフィアは教室を抜け、校庭に来た。
「やめて!」
「なんだオマエは」
「何だって良いでしょ、学校の皆にひどい事しないで!」
ラフィアは叫ぶ。
「うっせえ! オレが何しようがオレの勝手だろ! ゲファレ! そいつを踏みつぶせ!」
少年が命じるとゲファレと呼ばれた怪物は巨大な足を上げラフィアを踏もうとしてきた。
ラフィアは慌てて逃げ足から逃れた。しかしゲファレはその後も何度もラフィアを踏みつぶそうと足を落としてきた。
ラフィアの代わりに踏まれた地面は大きな足跡となった。
「ちっ、中々しぶといヤツだな」
少年は不機嫌そうに舌打ちをする。
その時だった。どこからか「ピィ」と鳴き声が聞こえてきた。
ラフィアは声のする方を向くと、木の側でひな鳥が鳴いている。
「どいつもこいつもこざかしいなっ!」
少年が叫ぶとゲファレが足を上げ、木やひな鳥ごと踏みつぶそうとした。
「だめえっ!」
ラフィアは急いでひな鳥に駆け寄り、ひな鳥を守るように身を屈めた。
するとラフィアの全身から青い光が溢れた。ゲファレの足もラフィアの光によって動けない。
ラフィアはゆっくりと立ち上がった。
「何だ…この光はっ……」
少年は腕で目を覆った。
「わたしは……あなたを許さない……学校の皆だけでなく、何の罪もない生き物まで傷つけようとした」
ラフィアは少年とゲファレを睨む。
ラフィアの光は胸に集まり、青い羽根が出現した。
ラフィアの側に帽子を被った黒猫が近寄ってきた。
「きみの想いが、その青い羽根を産み出した。きみが願えば青い羽根はきみに力を貸してくれる」
猫は喋った。
猫が喋るのは普通ではあり得ないが、目の前にいる怪物の方が危険なため細かいことは気にしていられない。
ラフィアは青い羽根を握りしめた。羽根はラフィアの想いに答えるように青い輝きを放つ。
「わたしは……あいつから学校や皆を守りたい!」
光はラフィアの全身を再び包む。
今度はラフィアの服装を変えた。元の制服から青一色のフリルをあしらったワンピース姿となった。
「さあ……戦うんだ。きみの願いを叶えるために」
「分かってるよ」
猫に言われなくても、ラフィアはそのつもりだった。
ラフィアはゲファレと呼ばれる怪物に肉薄し、足を蹴飛ばした。
ゲファレはバランスを崩し地面に落ちる。黒い羽根の少年は飛んでゲファレから逃れた。
ラフィアはゲファレの巨体を持ち上げると、ゲファレの体を回転させた。
「飛んでけっ!」
ラフィアはゲファレを空中に放り投げる。
「今だ。ゲファレを浄化するんだ」
黒猫の言葉と共に、ラフィアの前に青い弓矢が現れた。
ラフィアは弓矢を手にして、ゲファレに狙いを定めて矢を放った。矢はゲファレの体に当たった。
「イヤサレマシター!」
ゲファレは叫び、青い光と共に消え去り、ゲファレだった輝きは学校中に降り注ぐ。
「ちきしょう! そこの青いヤツ覚えてろよ!」
黒い羽根の少年はラフィアに言うと姿を消した。
授業が終わった放課後、校内の裏庭でラフィアはリンと共に黒猫から話を聞いていた。
学校は怪物ゲファレを退治すると元通りとなり、リンも元気になったのだ。
「わたしが魔法少女になって黒天使が放つゲファレをやっつければ良いんだね」
ラフィアは黒猫もといワンダに言った。
ワンダは黒天使やゲファレに対抗できる魔法少女を探しているという。ラフィアはその魔法少女の一人らしい。
ワンダが喋れるのは魔法の力だという。
「ああ、ゲファレは人間の体から力を吸いとって力を強化する怪物だ。操っているのが黒天使だ
魔法少女であるきみがゲファレを倒すんだ」
「……一つ聞いて良いかな」
横にいたリンが口を挟む。
「何かな」
「ゲファレを放つ黒天使を倒せば良いんじゃ無いのかな、黒天使が出しているなら元を絶てば出現しないよね」
リンの言っていることは最もだった。
その方が確かに良いとは思う。しかしワンダは顔を曇らせた。
「それはまだ無理だ。ラフィア一人ではゲファレは倒せても黒天使は倒せない
魔法少女は最低でもあと三人いないと黒天使を倒せないんだ」
「つまり仲間が集まる間はゲファレを退治ってことだよね」
「そうなるな」
ワンダは言った。更にワンダは説明した。
ゲファレは人間の活気が集まる場所によく出現するという。黒天使の狙いは人間の気を集め封印されている悪魔・パズズを復活させて世界を支配しようと企んでいるのだ。
「私としても子供のきみに危険なことをやらせるのは心苦しいが……
ラフィア、これはきみにしかできないことだ」
ワンダは言っている間、苦しげな表情を浮かべていた。
「世界を守るために、魔法少女として戦って欲しい」
「いいよ」
ラフィアはワンダの願いをあっさり了承した。
「ラフィ……」
隣にいたリンが不安な顔になる。
「だってあんな怖い怪物がまた出てきて、人にひどい事するなんて嫌だから」
「僕は反対だよ、君に何かあったらどうするんだよ」
リンはラフィアを真剣に見つめる。
リンがラフィアと共にワンダの話を聞くことにしたのも、ラフィアの身を案じてだ。
戦いによって怪我をしたり最悪命に関わることもある。
ラフィアは事故で両親を失っており、今はリンの家で暮らしている。リンにとってもラフィアは家族なのだ。ラフィアに危険が及ぶことは嫌なのだ。
「心配してくれて有難う」
ラフィアはリンにやんわりと言った。
「でも、わたしはやるよ、リン君や皆を守りたいから」
ラフィアは自分の意思を口にした。
こうしてラフィアの魔法少女としての日々が始まるのであった……
~あとがき~
どうも作者です。
魔法少女のパロディいかがでしたでしょうか
ラフィア「えっ、わたしって魔法少女だったの?」
これはあくまで記念小説だから本家とは関係ないです。紛らわしくてごめんね。
コンソーラ「酷いですぅ、私が出てないなんて……」
魔法少女のポジション的(コンソーラの髪の色は赤なので、赤い魔法少女ということです)に君の出演も考えてみたけど、ネタ次第ということで……
ラフィア「何でわたしやリン君は人間になってるの」
その方が都合が良いからです。
リン「名前は出てない黒天使って、口調からしてもしかしてベリル?」
そうです。悪者っぽさは彼にしか出せないかなと思いました。
ベリル「よう、呼んだか、この話では暴れまくってやったぜ!」
お話の中ではお疲れ様。
コンソーラ「良いなぁ、ベリルさんは、私も出てラフィアさんと話したかったですぅ」
分かってますよ、本家でもそういう機会を作りますからもう少し待っててね。
ラフィア「今度企画ものの話をやるなら、わたしとリン君の旅の話やってよ、世界中のオムレツ食べたいなっ!」
考えておきます。
ベリル「オレを蹴っ飛ばしたヤツに仕返しする話をやれよ」
そんな乱暴な……仕返しは別としてそれは本家でやりますよ。
コンソーラ「私はラフィアさんをか……」
君の話は法に触れる上に、イロウに叱られるからやめようね。
リン「僕は君に任せるよ、基本的に後味のいい話なら僕はいいかな」
了解。
ラフィア「ねえ、今後のわたしやリン君はどうなるの?」
ネタばれになるから詳しくは言えませんが、ラフィアの記憶に関することが明らかになります。
ラフィア「えー気になるな」
まあこれも気長に待って下さいね。
ベリル「オレは早くラフィアと戦いてぇな」
コンソーラ「私はラフィアさんと二人きりでゆっくり話がしたいですねぇ」
リン「二人ともラフィに絡みたがってるね」
ラフィア「うん」
長くなりましたが
ここまでお付き合い頂き有難うございます。
本家である「空に舞う白い羽根」は今後も続けていきますのでどうぞ宜しくお願いします。