1.頬を伝う、冷たい血 
 あなたが死んで、僕は生きた。
 頬には血が伝う。あなたの血が。
 さっきまでは暖かかったのに、今ではとても冷たい。
 あなたは僕の支えだったのに。
 あなたがいなければ僕は死んでいた。
 僕だけ生き残ったって仕方ない。 
 僕もあなたの元に逝くよ、一人にしない。

2.突き立てた刀
 お前が憎いから何度も何度も刃を身体に突き刺した。
 世界で一番嫌いなお前の血が流れ出し、その度にあたしの中にある憎しみが浄化されていくのを感じた。
 あたしの人生を狂わせた罰を、地獄の業火に焼かれて思い知れ。
 あたしは憎いお前の身体に刃を突き立てた。
 
3.錆びた鎖
 どれだけ月日が流れても、私に絡みついた鎖は消えることは無い。
 あなたに対する思いという名の鎖。
 必死に吹っ切ろうとした。忘れるために一つのことに没頭した。
 だけどできなかった。
 あなたの事を忘れようとしても
 夢の中に必ずあなたが笑っていた頃の顔が浮かんで、その後あなたは真っ暗な世界に堕ちるの。
 あなたが私を縛っているわ。長い時間ずっと。
 きっと死ぬまで取れないでしょうね。この錆びた鎖は。

4.消えない傷
 受けた苦しみは消えない。
 この身が炎に焼かれて、骨となるまで。
 「お前なんか産まなきゃ良かったよ」
 だったら何故産んだ?
 どうしてあんたに殴られ
 あんたに蹴られ
 あんたに罵り言葉を毎日毎日受けなければならない。
 あんたは母親ではない。
 いや、母親だと思うと吐き気がする。
 私の母親はもっと別の世界にいる。
 そう信じたい。
 身体だけでなく、心にまで消えない傷を背負ったんだ。
 もう、あんたには死んで欲しい。
 
5.「永遠の眠りをあなたに。」
 「おやすみ」
 私はあなたの遺体の頬に軽く口付けをした。明日で別れだと思うと胸が潰されそうなほどに痛む。
 あなたと過ごした日々は決して忘れない。
 あなたが先に向った場所には、私も必ず行く。
 少しの間の別れだけど、あっという間よ。
 あなたの元に行ったら、色んなことをしましょう。
 この世界では少ししか叶わなかった、楽しい思い出を沢山作りましょう。
 
6.突き刺さったままの言葉
 忘れない、お前の放った言葉を。
 今でもずっと胸に刻み込んでいる。
 お前の写真。そして物に
 何度も何度もナイフを突き刺しているんだ。
 「ごめん、お前よりも××の方が好きになったんだ」
 あんたの一言によって
 楽しかった日々が、愛し合った思い出が
 音を立てて砕け散った。
 私の心は壊れた。
 狂おしいほどに愛していたのに……私を壊した報いは必ず受けてもらうよ。

 7.血の海
 見てよ、この紅い世界を。
 とても綺麗でしょ?
 子供も
 女も 
 老人も関係なく殺して作り上げた、血の海。
 楽しかったわ、最期の断末魔を聞くのが……
 もっと倒したいわヒトを
 もっと味わいたい乾いた心を満たす達成感を……

8.言葉のやいば
 あんたの言葉が脳神経の全てを支配している。
 「お前のような無能は必要ない」
 俺はあんたが望むほど役に立たないのかもしれない。
 あんたが求めている答えを用意できないと思う。
 俺は行方不明になったあんたに会って、何でそんな事を言ったのか問い詰めてやる。
 言葉のやいばを放った責任は取ってもらうぜ。
 
9.冷たくなっていく体
 冷たいね。
 君はもう死んでいるなんて残酷だよ。
 君の可愛らしい顔や身体を燃やすなんて出来ないね。
 そうだ。
 君はこれからもずっと一緒さ。
 腐っても、骨になっても、永遠に君を抱きしめてあげるよ。
 それが愛だろ?

10.青い花
 アナタが胸に付けていた青い花。
 それはアタシにとって敵討ちの証拠。
 今から青い花を血の色に染めてあげましょう。
 バン
 バン
 アナタの身体にアタシが銃弾を打ち込む度にダンスを踊り、青い花も綺麗な赤に染まってゆく。
 クルクル回りながら、アナタは死ぬ。
 花はアナタの血を吸い、紅い花になる。
 ふふふっ、面白いね。
 アナタが死んだお陰で、アタシの大好きな紅い花が出来た。
 
11.「感情って何だ」
感情って何? こんな煩わしいモノはイラナイ。
争い
憎悪
殺し合い。
悲しみ。
苦しみ。
全部が人を狂わせるなら。
感情なんかいらない。

12.飛び散る鮮血
そこは地獄だった。
銃弾に打たれ、腹部から血を流し苦しんでいる者。
手や足がもぎ取られ、おびただしい血が流れる者。
最悪だったのは
沢山の人間が居るにも関わらず爆弾が投下され。
身体がバラバラになり、血も飛び散った。
こんなの人間がすることじゃない。
やめて。
こんなことは許されない。
「タスケテクレ」
「クルシイ」
もう、聞きたくない。

13.天と地
受けた屈辱と
一生癒えない心の傷を負ってこの場所にやって来た。
場所は天国だ。
皆は傷だらけの私に暖かく、看護も手厚い。
仲間は私に花をくれた。
その時の優しい笑顔が忘れられない。
まさに天と地の差だ。
優しい皆に「ありがとう」
地獄に突き落とした奴等には制裁を与えてやろう。

14.赤く染まったこの手
 私は妹を刺した。
 私の好きな人を奪い取ったばかりではなく
 「お姉ちゃんなんかに××は相応しくないよ」
 私のことを馬鹿にした忌まわしき女を。
 私が彼に振り向いてもらうために、相当な努力をした。
 自分が自分で無くなっても。
 大好きな彼の心を私にものにしたかったからだ。
 しかし妹は、あっさりと彼の心を掴み。
 その上、彼と会ってからすぐに初体験を済ませた。
 全てが分かり、私は妹を何度も刺した。
 もう戻れない。
 この手が赤で染まってしまったのだから。
 この手を早く綺麗にして、今度こそ彼の心を私の物にするわ。
 
15.幼き記憶
 私ははっきり覚えているよ。今でもずっと。
 お姉さまは私に背を向けて逃げたよね。
 私はずっと泣き叫んだよ。
 助けて、ぼくを置いていかないでって。
 でも
 お姉さまは私をすっぽかして逃げた。
 その時に私の中に、殺人鬼が宿った。
 お姉さまを殺すだけに生み出された憎悪の塊が。
 幼き記憶が、あなたに復讐を果たすための力をくれた。
 ふふっ。
 報いを受けてもらうよ。
 
16.「殺してあげようか」
 その歪んだ顔が見ていてむかつくね。
 原型が留まらないくらいに切り裂いて殺してあげるよ。
 君の歪んだ顔を私のコレクションの一部にするかな。
 楽しみだな。考えただけでゾクゾクするよ。
 
17.響く悲しみ
 忘れることはできない。
 あなたを犠牲にしたことを。
 仲間を守るためにやったことだとしても。
 この先やらなければならないことにしても。
 あなたの命をこの手で潰した事には変わりない。
 今でも悲しみが響く。
 少しでも油断すると、悲しみが溢れ出して自分が壊れるの。
 守ってあげられなくてごめんね。
 
18.ほんのささやかな笑み
 私はあなたが嫌いです。
 私の弟を虐める所
 匂い
 髪型
 そしてほんのささやかな笑みも。
 どうしてあなたが私の側にいるんですか?
 早く居なくなって下さい。
 弟のためにも。
 
19."何も見たくない"と言うならば、
 「何も見たくない」
 そんなのは弱虫の証拠だわ。
 弱気になるのは止めなさい。いずれ貴女は知らなければならないの。
 憎い私を越えるためにも。
 貴女が泣いて嫌がっていても、強引に連れて行ってあげる。
 
20.真っ赤な色
 僕の身体にもあの人と同じ紅い液体が流れている。
 気持ち悪い、ゾッとする。
 あの人が命を失う時にも真っ赤な色が沢山でた。
 腹や口……そして心臓からも。
 僕はもう見たくない。赤い色を。
 あの人をこの世から奪った赤を。


21.親友の形見 
  アナタから貰った青いピアスは常に手放さない。
  弱いワタシの心に勇気をくれる。
  アナタは死に際にこう言ったよね
  『私が死んでもしっかり生きて、どんな時でもそのピアスがある限り貴女と私はいつも一緒だから』
  姿が無くてもアナタがいると感じて孤独が安らぐ。
  不安になったり、嫌なことがあれば
  このピアスを握って、アナタと過ごした日々を思い浮かべるの。
  見ていてね、ワタシはアナタの分を生きるから。
 
22.「あたしは絶対に生き延びてやる」
  降り注ぐ雨
  血を流し倒れるあたしの両親、姉さん、村の皆。
  あたしの前には、剣を持った男がいる。
  あいつは容赦もなしに、皆を切り裂いていった。
  あいつがあたしから大切な人達を奪った。
  あたしの思い出を破壊した。
  許せない……絶対に。
  どれくらい時間がかかろうが、必ず仇を取ってみせる。
  何があろうとあたしは絶対に生き延びてみせる。
 
23.何も残らない、それでもいい。
  アタシは孤独になることが怖かった。
  ひとりぽっちになることは、いじめられる側になることを意味していた。
  いじめられている子は酷い有様だった。
  教科書に悪口を沢山書かれ、暴力を振るわれ、酷い時には服を脱がされて学校を回されることもあった。
  人間嫌いのアタシを押し殺し、三人の子と友達ごっこをした。
  他愛も無い会話。
  メールの交換。
  休み時間は常に四人で一緒に行動した。
  時にはケンカにもなったが、仲が壊れるのを恐れてすぐに謝った。
  全てはいじめっ子に目をつけられないために。
  この日ようやく卒業式を迎えた。
  アタシの努力が叶いこの日までいじめられることは無かった。
  しかし、アタシと仲良くしていた子達は別の学校に行く事になる。
  何も残らないが、それでいい。
  今度こそアタシは心を通わす友達を探すんだ。
  
24.何もかもが壊れた
  アタシの両親が別れ
  アタシは父親に引き取られた。
  原因はお互いの思考の不一致。
  今までそんな前兆すら無かった。
  二人は笑い合い、とても仲がよかった。
  時にはアタシを祖母の家に預けてまで、二人一緒によくデートもしていた。
  一体どうしてこんな事になったのだろう?
  母が住んでいる連絡先が分からない。
  聞き出そうとすると父が激怒するからだ。
  何もかも壊れてしまった。
  アタシの幸せも
  家族も。
  将来は二人を海外旅行に連れて行こうと思っていたのに。
  神様が居るなら願いはたった一つ
  どうか
  両親を仲直りさせて下さい。
  
25.偽った心
  今まで見せていた顔は嘘だったのか?
  皆で遊んだ楽しい思い出も。全部。
  どうして僕に隠し事をしている?
  全てを君の口から言って欲しい
  僕は君の仲間じゃないか。
  「私はぁ、隠し事なんかしてないよぉ」
  「俺の口から言った事が全てだ」
  嘘だよ。
  みんなは僕に大切なことを隠している。
  お願いだ。僕に本当のことを話して欲しい。

26.抑えられない怒り※25.偽った心の続編です。
  僕の怒りは頂点に達した。
  僕は仲間との信頼をぶち壊す覚悟で、全員に怒りをぶつけた。
  皆は僕にひどく怯えていた。
  中には泣いている奴や、冷静な奴がいるがどうでもいい。
  僕を怒らせたのはお前たちだろう?
  どうして大切なことを隠していた?
  僕にとって絶対必要なことなのに。
  「隠し事をしているお前らなんか、仲間じゃない」
  僕は吐き捨てるように言って、その場を後にした。
  後ろからはすすり泣く声や、僕の名を呼ぶ者もいたが無視した。
  さよなら、偽りの仲間。
  短い間だったけど楽しかったよ。

27.差し違えなど、ありえない。
  そんな馬鹿な。
  勝ったのは確かに私のはず……
  どうしてあいつが勝つんだ?
  こんなの有り得ない。
  私はすかさず反論したが、審判は相手が勝ったの一点張りで聞く耳を持たない。
  私は見た。あいつの冷たい笑みを。
  まさか……
  あいつは、自分が勝ちたいがために審判を味方につけたというのか?
  なんて卑怯な。
  私は涙を飲んでその場を去った。
  いつかあいつに裁きを与えてやる。
  
28.笑顔でさよなら。
  さようなら、アタシの大好きなヒト
  いつかは別れる日がくると思っていたわ。
  最初に出会った時の貴方は、とても気難しかったけど
  本当は優しかったね。
  そんな貴方に次第に惹かれていった。
  気が付けば貴方だけと一緒にいる時間が長くなっていた。
  周りの目もあったけど、気にならなかった。
  でも、別れは突然だった。
  貴方は自分の行くべき道を探し、一人だけで進むことを決意した。
  アタシは気持ちを伝えず
  「さよなら」
  笑顔で一言を伝えた。
  いつかまた会ったら気持ちを伝えよう。
  
29.歪んだこの世界
  この世界は歪んでいる。
  悪い事が許され、善行を行う者が罰を受ける。
  可笑しいね。
  人を傷つける者が笑い。
  正しい道を行く者が虐げられるなんて。
  こんな世界壊れちゃえばいいのに。
  悪い奴がいなくなって、正しい者のみが存在する世界になれば
  どれだけ良いか。
    
30.「地獄につれてってあげる」
  貴方は涙を溜めて、許しを得ようとするが。
  そんな小細工でわたしの心を動かすことなどできない。
  貴方の裏切りがわたしの心を壊した。
  そのお陰でどれだけの苦痛を味わったか分かる?
  わたしは貴方のことを忘れるために、罪の無い人々を傷つけた。
  わたしが大切だと思っている人々にも迷惑をかけた。
  それが原因でわたしは今いる場所を出て行かなければならない。
  貴方がわたしを狂わせた。
  復讐しなければ気が済まない。
  「死ぬのはわたしだけじゃない、お前も地獄につれてってあげる」
  わたしは相手の頭を鈍器で何度も殴った。

  
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