思い出の手紙は
全て焼き払った。
これで思い残すことは何一つない
だって手紙をくれた人はもういないの
ふざけた理由さ
そいつは裏切ったんだよ
親友だと思っていたから
大切にしていた宝物を貸したの
「必ず返す」
その言葉を信じて。
だけど、戻ってきた時には
壊れていたんだ。
その上
「古ぼけているのが悪いんだよ」
醜く、歪んだ顔で
耳を疑うような言葉を吐き出した。
小さい頃から、とても大切にしていたのに。
いくらなんでも酷すぎる。
それ以来、口もきかず
別々の道を歩むことになった。
しかし宝物が戻ることはない。
せめて過去との決別を図るために
親友の手紙を全て処分することにした。
心は痛むが、これくらいしないと
気が収まらない
さようなら過去の自分。
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