「今日も空振りか……」
帰り道を歩き私は呟く。
失業してから三カ月近くが経ち、自分が目指す仕事が見つからず落胆していた。
一人暮らしのため繋ぎのバイトで生計を立てている。
両親からも「実家に帰って来い」と言われるが、実家がある地域ではますます仕事が少なくなる。
なので実家に帰るつもりなどない。
私はふと眼を向ける。そこには綺麗な服を着飾った女性が歩いていた。
きっと良い所に勤めてるんだ。
私が着てる服はバーゲンで購入したもので、女性とは天と地の差がある。
「負けてられないな」
手を強く握り、私は気持ちを新たにした。
ここが踏ん張りどころだ。
 
私はしっかりとした足取りで前に進んだ。
明日こそ良い会社が見つかると信じて……

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