窓から明るい光が差し込み、私の部屋を照らしていた。
出掛けるのもいいが、私はベッドでお菓子を食べながらスマホゲームをやっていた。
「くらえ! ベジタリアンクラッシャー!」
私はゲーム内の名前を叫び、画面の動きを見守った。
私がやっているのは最近流行りのアプリゲーム「ベジタリアンストライク」という。
「あーやられたー!」
画面内で私の操作キャラの体力がゼロになり私は足をばたつかせた。
もう一回やりたい所だが、三回挑戦して勝てなかった相手にこれ以上戦いに挑むのも時間が勿体無い。
画面には「挑戦しますか?」の文字の下にはい、いいえが浮かんでいるが、私はいいえを選んだ。
「もうちょっとレベル上げてからにしょーっと」
スマホを置き私は側にあったポテトチップスを手に取り、口に運ぶ。
「あー美味しい!」
戦いの(ゲームのね)後のお菓子は最高だ。

休日は部活があったり、友人と遊びに行ったりするが、こうして自室でだらけるのは心か休まる。
私にとって必要な時間だ。

ゲームをやめてスマホで音楽を聴いてポッキーを食べている時だった。
ノックの音が聞こえた。
「萌絵、入るわよ」
「は―い」
私が言うと母が顔を見せた。
「萌絵、少しぐらい片付けなさい」
母は私の部屋を見るなり説教をした。
部屋の中は服が散乱し、机も物で溢れている。
綺麗好きな母にとっては我慢ならないが、私はこの方が落ち着くのだ。
「後でやるよ、それより何の用?」
「お友達来てるわよ、美空さんと村上さん」
二人の名前を聞き、私は思い出した。
今日は二人を家に招く日だと。
私としたことが大事なことを忘れるなんて……
すぐにでも部屋を片付けないとならない。
「二人には待つように言って!」
母に言うと、私は立ち上がり地面の服をクローゼットに放り込む。
次に机に溜まった物を適当に引き出しにしまった。
そして私は部屋を出て一階にある掃除機を手に持ち、掃除機をかけた。

十分かけて整頓しマシになったと判断し、私はゆりと沙織を自室に通した。
「遅くなってごめんね」
私は二人に謝罪した。
「萌絵のことだから私達が来るの忘れてたでしょ?」
ゆりは突っ込んだ。
私は笑ってごまかした。
流石は付き合いが長いだけあって、私の行動が読まれてる。
「ストライプ柄好きなんだね」
沙織は辺りを見回して言った。
私の部屋はストライプ柄を多く取り入れている。
私の私服もストライプ柄だ。
ゆりは関心を示さないが、沙織は違うようだ。
「分かる?」
私は声を明るくして訊ねる。
「私も好きだから、ストライプ」
沙織は答えた。
私は嬉しくなってつい沙織の両手を掴んだ。
「私達同士ね!」
「う……うん」
沙織は困惑ぎみだ。
「萌絵、沙織が困ってるわよ」
ゆりが察して突っ込みを入れる。
「ごめんごめん、つい……」
沙織の手を放し、私は再び謝った。
でも沙織のことが一つ分かって気分はウハウハだ。
沙織とはストライプトークができるからだ。
「それじゃあ学園祭の出し物について話し合おう!」
気を取り直し私は言った。

私の休日はゆったりかつ、充実していたのだった。

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