外は雪が降り、あちこちの屋根は白くなっている。
私は椅子に座り、ママの帰りを待っていた。
今夜はクリスマス、リビングにある木にクリスマスの装飾をして、ソファーにもサンタさんの縫いぐるみを置き
クリスマスの雰囲気を作った。
私はママのためにクリスマスプレゼントを用意していた。
私はポケットからプレゼントの入った赤いリボンの箱を取り出し、小さく笑った。
ママの笑顔が自然に浮かんだからだ。
プレゼントの中身は手袋、ママの手が暖まるようにしたかったの。
これならママは喜んでくれる。
そうに違いない。
私の胸はワクワクしていた。早く帰ってこないかな。
二人でクリスマスパーティーをしたいな。パパは海外出張で帰ってこられないんだ。
だからママと私だけでクリスマスを祝うの。
冷蔵庫の中には、パーティー用のご馳走がしまってある。あとはママがケーキを買ってくるだけ。
その時だった。
「ただいま」
優しい声が玄関から聞こえた。
ママだ。
プレゼントをしまうと、私は足早に玄関に向かう。
玄関では、ママはケーキ入りの箱を持って立っていた。
「お帰りなさい!」
私は嬉しくなって声が大きくなった。
「すぐにパーティーの支度をするからね」
ママは微笑んだ。
「私も手伝うよ!」
私はママの後を追った。忙しいママに代わって私が毎日家事をするんだけど
今日は久々にママと一緒に手伝うんだ。

それから、私とママは素敵な時間を過ごした。
七面鳥とケーキを食べ、シャンパンを飲み、楽しくお喋りできて
とても満足だった。
食事を終え、私は思い出すように赤いリボンの箱を出した。
「はい、ママ!」
私はプレゼントをママに渡す。
「何が入っているの?」
「開けてからのお楽しみだよ」
私はママが箱を開ける様子を眺める。
ママは箱を開くなり、中身をそっと出して、右手に持つ。
「暖かそうな手袋ね」
ママはそう言うと、手袋をはめた。想像通りぴったりだった。
ママは嬉しそうに私に笑いかけた。
「素敵なプレゼントを有難う、大事にするわ」
私の胸は躍った。ママが喜んでくれたからだ。
ママは「そうだわ」と言うと、側にあった椅子から可愛いラッピングが施された箱を私に差し出した。
「ママから萌にプレゼントよ」
私は目を丸くした。
……一体何だろう?
「萌が前から欲しがっていたものよ、開けてみて」
ママが見守る中、私はラッピングを破り、箱を開く。
中には前から欲しかった花柄のペンケースが入っていた。
私は思わず「わぁ……」と声を漏らした。
私はママの所に行き、ママを抱きしめた。
「有難う、ママ大好き!」

私にとってクリスマスは暖かくて
一生忘れられない思い出になった。
来年も、再来年も、ずーっとクリスマスが暖かくて楽しい時間であったらいいな。

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