「あー儲けた儲けた!」
アディスは自分の部屋で満足げに言った。
彼の横にはお金が入った袋と、小さな箱が置いてある。
当分遊ぶお金に困らないのと、依頼主から宝石を貰ったので嬉しい限りだ。
もしお金に困ったら売ってお金にすればいいからだ。
「これでスッピー達におごれるな~」
アディスは鼻歌混じりにお金の袋を見る。
スッピーとは賞金稼ぎの仲間であるスピカのことだ。彼には数人の友達がいて
今度お金が入ったらスピカを含む友達におごろうと決めていた。
ふとアディスは箱の中の宝石が気になった。
箱には燈色の宝石のペンダントが入っている。
アディスは宝石の知識は無いが、女性に見せたら喜びそうだ。それ位綺麗だ。
「スッピーに見せたら喜ぶだろうな」
アディスはペンダントを眺めて言った。
スピカは片想いの先輩を失い、落ち込んでいたが、最近になってようやく立ち直ってきた。
少しでもスピカを励ましたくて、今度スピカに会う際は報告も兼ねて、宝石を見せようと決めていた。
スピカが綺麗なものを見て元気になればいい、そういう考えである。
場合によっては彼女にあげても構わない。
「あー疲れたな、風呂入って寝るか」
眠気を感じ、アディスは風呂場へと向かった。

多忙なアディスの一日は終わりを迎えたのであった。


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