次の日
学校に来るなり、アタシは驚いた。
「社会科の前村先生が亡くなったそうだ」
担任の先生の口から出た。先生は説明を続けた。
前村は昨晩、奥さんとお酒を飲んでいる時に、突然苦しみだして、病院に運ばれた時には既に亡くなったという。
アタシは目を大きく見開く。
なぜなら昨晩は前村を消すように念じていたからだ。
アタシは机に忍ばせておいたダークジュエルを手のひらに持った。
アタシが前村を……?
これのお陰なら、前村と同じく、淳子も消すことができる。
アタシはダークジュエルを握りしめ、淳子が死ぬことを念じた。
先生が話している間中ずっと。
念じてから、それほど時間が経たないうちに、横からうめき声が聞こえた。
淳子は胸に手を押さえて苦しみだした。
異変に気づいた先生が淳子の元に駆けつけるが、淳子は椅子から転げ落ちて、そのまま動かなくなった。
周囲からは悲鳴が上がり、中には泣き出す人もいた。
教室内はパニックに陥った。
そう、アタシを除いては。

淳子の突然死から三週間が経ち、教室も落ち着きを取り戻しつつあった。
「今まで何もできなくてごめんなさい、宇城さんが怖くて逆らえなかったの」
昼休みに、かつて付き合っていた友人・ゆかりが声をかけてきた。
淳子が亡くなってから、アタシへのいじめ行為は無くなり、平穏な日々が戻ってきた。
淳子というリーダーが無くなり、集まっていた人間もバラバラになったのだ。
「もう過ぎたことだよ」
アタシはウインナーを口に運んだ。
「また友達になってくれる?」
「もちろんよ」
アタシは即答する。
断る理由は無かった。

もう淳子の恐怖に怯えることも無く、学校に来られる。そう思うだけで安心する。

アタシは空を眺めた。
空は清々しい青が広がっていた。

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